「節税」はどんどん行うべきです。企業努力により計上した利益を効率よく内部留保するためにも、経営者は税金を安くすることに知恵をしぼるべきです。
しかし節税に似た概念に「脱税」というものがあります。
「脱税」とは、「仮装(かそう)」や「隠蔽(いんぺい)」により税金を軽減することをいいます。
「仮装」とは、架空の仕入や人件費、外注費を計上するなど、存在しないものをあるように見せかけて税金を軽減する行為です。
「隠蔽」とは、売上や在庫を隠すなど、事実の一部又は全部を隠すことで税金を軽減する行為です。
これら「仮装」「隠蔽」により税金が軽減された場合は、たとえ少額であっても脱税となります。
これに対し「節税」は、税法上認められている制度を上手に活用し、法に抵触しない範囲で税金を軽減することをいいます。
脱税には下記のようなデメリットがあります。
- 悪質、巨額であれば刑事告訴の対象となり、懲役刑(実刑)や罰金刑に処せられます。一般的に、脱税額が3千万円以上で起訴、1億円以上で実刑と言われていましたが、最近では少額なものでも刑事告訴される事案がでてきています。
- 重加算税、延滞税など、高額なペナルティが課せられ、本来支払うべき税金の1.5倍以上になる場合があります。
- 一方的に青色申告が取り消されるなど、今後税制上の有利な制度を使うことができなくなります。
- ストレスを伴う取り調べに対応する必要があり、経営者や経理担当者の時間が大きく奪われます。
- 一度レッテルを貼られると、必ず2~3年ごとに厳しい税務調査が行われます。
- 裁判所の礼状を持った強制捜査であるため、税理士でも守ることができません。
- 取引先などに半面調査が行われ、企業としての信用を失います。
- 刑事告発されなくても、マスコミにリークされ、企業としての信用を失います。
- 社員からの信用を失い、優秀な人材が流出します。
是非、脱税ではなく節税を積極的に行い、税負担を軽減し、強い財務体質の企業を創りましょう。