カテゴリー別アーカイブ: 役員報酬・人件費・退職金の節税

【節税】役員報酬をギリギリに設定する

役員報酬を支給しなかった場合の1年間での会社の利益が800万円見込める場合、役員報酬を支給した方がよいか、会社にお金を残した方が良いか、税負担を比較検討してみます。

(1)役員報酬を年800万円に設定したケース

会社の利益が0円になるため法人税などの会社負担の税金はありません。一方、個人の所得税や住民税は、給与収入が年800万円となり、ご本人の家族構成などで変わってはきますが、実効税率15%程度と仮定して、税負担は約120万円です。

(2)役員報酬を0円に設定したケース

会社の利益が800万円残ることとなり、実効税率30%程度と仮定して、税負担は約240万円です。一方、個人の所得税や住民税は、給与収入が0円のため、税負担はありません。

上記のように、倍以上もの税負担の差が生じる場合がありますので、役員報酬の金額は慎重に設定する必要があります。

【節税】所得税率を考慮して報酬を設定する

個人の所得税の計算は、超過累進税率を採用しており、収入が増えれば増えるほど、適用される税率が高くなります。最高税率はなんと40%です。

さらに自治体ごとに異なりますが、住民税の税率が付加されることになります。超過累進税率を全く考慮せずに役員報酬を設定してしまうと、税負担が大きくなる可能性があります。

中小企業においては、会社に利益を残さないような金額に役員報酬を設定し、個人で利益をすべてとりきってしまうことも、効果的な節税方法のひとつとされています。

ところが、この超過累進税率により、場合によっては役員報酬を上げすぎない方が、法人と個人のトータルで見た場合、得策であることもあります。

法人税の実効税率と個人所得税の実効税率とを総合的に検討し、役員報酬を設定しましょう。